3つのタイプに分かれる
基礎編では、ビタミンC(アスコルビン酸)が酸化しやすいこと、そしてそれを防ぐための2つの工夫を学びました。中級編では、①の「アスコルビン酸を変化させる」工夫によって生まれた、様々なビタミンC誘導体を整理していきます。
分類の軸を知る:水溶性・油溶性・両親媒性
ビタミンC誘導体は、何を"くっつけたか"によって、大きく3つのタイプに分かれます。
水溶性タイプ:リン酸のような、水になじみやすいものをくっつけたもの
油溶性タイプ:パルミチン酸のような、油になじみやすいものをくっつけたもの
両親媒性タイプ:水になじみやすいものと、油になじみやすいものの、両方をくっつけたもの
肌の表面(角質層)は、水の層と油(皮脂)の層が、交互に重なった構造をしています。そのため、「水になじむか、油になじむか」という性質の違いが、肌へのなじみやすさに関わってきます。
水溶性ビタミンC誘導体
代表例は、APS(アスコルビルリン酸Na)とAPM(アスコルビルリン酸Mg)です。どちらも、アスコルビン酸にリン酸をくっつけたもので、基礎編で説明した「鎖でつながって安定した状態」の代表例にあたります。水になじみやすいため、化粧水など、水を主体とした化粧品によく使われます。
また、3-O-エチルアスコルビン酸という成分もあります。これはリン酸ではなく、エチル基という別のものをくっつけて安定化させたタイプで、こちらも水溶性です。
油溶性ビタミンC誘導体
代表例は、VC-IP(テトラヘキシルデカン酸アスコルビル)です。アスコルビン酸に、油になじみやすい長い脂肪酸をくっつけたもので、油になじみやすいぶん、クリームや乳液など、油を主体とした化粧品に使われます。
両親媒性ビタミンC誘導体
代表例は、APPS(パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na)です。名前の通り、水になじみやすい「リン酸」と、油になじみやすい「パルミチン酸」を、両方くっつけています。水にも油にも、ある程度なじめるため、肌の水分・油分どちらの層も通過しやすいという特徴があります。
ビタミンC誘導体は、何をくっつけたかによって水溶性・油溶性・両親媒性の3タイプに分かれる。水溶性は化粧水に、油溶性はクリームに、両親媒性はどちらにも使われやすい。
次は、市場にあるビタミンCの名称を整理します。名称の整理のあとは上級編に進み、それぞれどこまで肌に届くのか、APSとAPMの構造の違い、酸化と還元の関係について、より詳しく見ていきます。
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