APS100%単体
顔・体に使用できる原料で、使う部位を限定しません。頭皮にお使いになる場合は、保湿剤の使い方が異なりますので、必ず「注意点」タブをご確認ください。ご自身の目的に合わせて、濃度や使用部位を調整してお使いいただけます。
ビタミンC講座を先に読んでおくと理解しやすいと思います。
アスコルビン酸とリン酸の鎖は頑丈
APSは、アスコルビン酸とリン酸が鎖で繋がった状態です。
まず知っておくべきことは、アスコルビン酸とリン酸の鎖は非常に頑丈であるということです(安定している)。
APSの形状は粉末です。一般的に、粉末状態では安定性が高いとされており、酸素に触れても簡単には鎖が切れません。
この状態では、アスコルビン酸は活動が出来ず、酸化しないというメリットがあります。反面、「酸化と還元」も生じないため、アスコルビン酸による効果も発生しません。
それでは、そのAPSの粉末を精製水に溶いて化粧水を作る場合にはどうでしょうか。APSが水中に溶けている状態でも、鎖は簡単には切れないようになっています(但し、条件付きです)。
鎖は、いつ切れるの?
これには2つのパターンがあります。1つは製造メーカーによる公的な見解、もう1つは弊社の経験則から導かれた見解です。
①体内のホスファターゼという酵素によって切れる
人の体内には、ホスファターゼという酵素が存在します。この酵素の働きによって、アスコルビン酸とリン酸の鎖は切れます。
ここが非常に重要なポイントです。体内に入るまで、アスコルビン酸は活動が出来ず大人しくしています。しかし体内に入ると、ホスファターゼによってアスコルビン酸は本来の姿に戻り、「酸化と還元」を始めます。
つまり、皮膚内部でアスコルビン酸本来の働きを発揮させたい場合には、APSは理想的な原料となります。
なお、ホスファターゼは生きていくために欠かせない酵素で、体のあらゆる場所(皮膚、内臓、骨など)に存在します。そのため、ホスファターゼが無くて鎖が切れない、ということは基本的にありません。
②水に溶けている間に、少しずつ切れる
APSが水中に溶けている状態では、冷蔵保存していないと、化粧水の中で鎖が切れてしまうことがあるというのが弊社の見解です。
レゾナック社の検査成績表によれば、pH調整を行っていないAPS単体のpHは9.0〜10.0とされており、弊社の化粧水もこの範囲と一致しています。市販のAPS化粧水の多くは、クエン酸等でpHを調整していますが、弊社ではあえて調整を行わず、原料そのものの状態でお届けしています。だからこそ、この高いpH帯を保つための冷蔵保存が重要になります。
冷蔵保存と常温保存とでは、pHの下がり方に大きな差が出ます。冷蔵保存であれば、作成時よりも若干下がる程度にとどまります。
例えば、作成時のpHが9.6だったとします。冷蔵保存で1ヶ月経過した場合は9.2くらいまで下がるというのが、これまでの経験則です。一方、常温保存の場合は、10日ほどで8.5くらいまで下がったというデータがあります(現在、1ヶ月分のデータを測定中です。正式な数値が出次第、更新します)。
こうしたpHの変化は、水中のAPSが、リン酸と分離して活動した結果だと、弊社では推測しています。
冷蔵保存であれば、分離はわずかです。1ヶ月使い切りの化粧水であれば、ほぼ問題がないレベルと考えています。一方、常温保存では、分離が早く進みます。ゼロになるわけではないので使用しても無駄ではありませんが、正直なところ「もったいない」です。常温保存では、酸っぱいニオイがすることもあり、使用感もよくありません。
APS化粧水は、常に冷蔵保存が必要。
APSは皮膚の内部に入るの?
アスコルビン酸とリン酸の鎖が体内のホスファターゼで切れるとしても、そもそも皮膚の内部に入らなければ意味がありません。本当にAPSは、皮膚の内部まで入っていくのでしょうか。
ここはビタミンC講座の上級編①の復習になります。APSは水溶性なので、500ダルトンの法則が当てはまります。APSの分子量は322.05で、500より小さいため、皮膚内部に入り込むことができます。
分子量の出典:FUJIFILM Wako「L-アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム塩」製品情報
皮膚の内部にもホスファターゼは存在するので、そこで本来のアスコルビン酸の活動が始まり、「酸化と還元」が行われることになります。
弱アルカリ性というけど、安全なの?
ここまでお伝えした通り、APS化粧水はpHが9〜10ほどの弱アルカリ性になります。
化粧品業界では、一般に弱アルカリ性は肌に悪いと考えられており、化粧水を弱アルカリ性で販売しているところはほとんどありません。そこで、不安に思う方もいると思うので、弱アルカリ性でも問題がない理由を説明しておきます。
①肌には、自分で弱酸性に戻る力がある
石鹸はすべて弱アルカリ性ですが、通常は問題が生じません。これは、肌についた石鹸を洗い流すから問題が生じないわけではなく、一時的に肌がアルカリ性に傾いても、健康な肌であれば自分の力で素早く、もとの弱酸性に戻るためです。
②弊社では、さらに確実な対策を取っている
理屈の上では、肌は「そのうち」弱酸性に戻ります。しかし弊社では、より確実な対策を取っています。保湿剤の多くは弱酸性でできているため、APSローションで肌が一時的に弱アルカリ性になっても、直後に保湿剤を塗ることで、肌はより素早く弱酸性へと戻ります。
また、APSローションは肌が乾燥しやすくなる傾向があるため、トラブル防止の観点からも、保湿剤の使用が必要になります。
保湿剤は、どうしても必要なの?
はい、どうしても必要です。
保湿剤に含まれる油が気になって使いたくない、というご意見は昔からあります。そのお気持ちは分かりますが、それでも使ってください。乾燥は、肌荒れの一因となります。
対応方法として、保湿剤は「さっぱり系」「しっとり系」「肌バリア保護系」の3つに分類できます。保湿剤の油が気になる方は、「さっぱり系」の保湿剤を選んでください。
例えば、キュレルの潤浸保湿フェイスクリームは「さっぱり系」に該当します。有効成分としてアラントインも配合されているため、炎症対策にもなり、おすすめです。キュレルの保湿剤は弱酸性と明記されているため、APSローションとの相性も良好です。
出典:花王「キュレル 潤浸保湿 フェイスクリーム」商品ページ
これは非常に重要な点ですが、APS化粧水をご使用いただく場合には、保湿剤の使用を必須とさせていただきます。ご購入は、これらの注意点に同意いただいたものとみなします。
APS化粧水を使用するなら、保湿剤の使用は必須。
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APSは粉末の原料です。精製水に溶かして、化粧水としてお使いいただきます。ここでは、材料の分量から作成手順まで、順番にご紹介します。
推奨濃度を決める
メーカー(レゾナック社)の製品カタログに記載されている推奨濃度は1〜6%です。配合量・濃度の調整は、お客様ご自身のご判断で行っていただくものです。弊社のレシピは、あくまで一つの提案です。その提案として、顔・首用のAPSローションであれば5%程度、体用のAPSローションであれば3%程度が使いやすく、おすすめです。
出典:レゾナック製品カタログ(APSの推奨濃度)
材料をそろえる
APSローションは、次の3つの材料から作ります。
| 1 | APS100%単体(2.5g) |
|---|---|
| 2 | ヒアルロン酸ナトリウム1%液(5g または 10g) |
| 3 | 精製水(各自ご用意ください) |
レシピを決める
濃度と、2ヒアルロン酸ナトリウム1%液の分量(5g/10gどちらを使うか)の組み合わせで、以下の4パターンからお選びいただけます。
| 濃度 | 1APS | 2ヒアル1%液 | 3精製水 |
|---|---|---|---|
| 5% | 2.5g | 5g | 42.5g |
| 5% | 2.5g | 10g | 37.5g |
| 3% | 2.5g | 5g | 76g |
| 3% | 2.5g | 10g | 71g |
全体の分量(g)は、そのままmlの目安としてお考えいただけます(50g≒50ml)。
上記は、APS100%単体(2.5g)を全量使うレシピです。分包製品は、開封したら使い切ることが前提です。上記より高い濃度で作りたい場合は、APS100%単体を追加でご購入ください(単品で販売しています)。
道具をそろえる
道具は、お手持ちのもので構いません。こだわりたい方向けの選び方もご紹介します。
| はじめての方 | 4コップ 5スプーン 6化粧水容器 |
|---|---|
| こだわりたい方 | 4ビーカー 5撹拌機セット 6化粧水容器 |
作り方の手順
- 4コップ(ビーカー)に、123を入れます。
- 4コップ(ビーカー)の中身を、5スプーン(撹拌機)でかき混ぜます。
- できあがった液体を、6化粧水容器に入れます。
- すぐに冷蔵庫に入れます。
- 容器やポストイットなどに作成日を書いて貼っておくと、消費期限の目安が分かって便利です。
ここからは、材料と道具について、もう少し詳しくご説明します。
APS100%単体(2.5g)
顔用として1か月以内に使い切ることを前提にすると(1日朝晩2回使用)、全体量は50g(≒50ml)くらいがちょうど良い分量です。全体量50gのうちAPSが2.5gですから、5%濃度のAPSローションになります。
5%濃度は、APSローションとしてはよくある濃度で、濃すぎず薄すぎず使いやすいという印象です。弊社としては、顔用に3%濃度はやや物足りなく感じ、10%濃度はやや扱いにくいと感じています。
自分の肌の特徴を把握していて、保湿剤も自分で選べるという上級者の方に限りますが、5%濃度で使用感に満足できない場合は、10%濃度にするのではなく、2度塗り・3度塗りをして調整することをおすすめします。なお、10%は、メーカー推奨濃度の範囲(1〜6%)を超える濃度です。
ヒアルロン酸ナトリウム1%液
まず、なぜヒアルロン酸水溶液を使うのかをご説明します。「ヒアルロン酸=保湿効果」というイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、ここでは保湿効果を期待して配合しているわけではありません。弊社が採用している一番の理由は、粘性を出すためです。
1APSと3精製水だけでレシピを組むと、ほぼ水と同じ感触になります。手のひらに出したときにこぼれやすく、顔に塗るときも液がすぐに下へ流れてしまいます。ある程度の粘性があったほうが肌の上にとどまりやすくなるため、ヒアルロン酸ナトリウムを加えています。また、ヒアルロン酸ナトリウムを加えてもpHがほとんど変わらない点も、採用している理由の1つです。
次に、5gと10gのどちらを選ぶとよいかご説明します。ヒアルロン酸ナトリウムは分子量が非常に大きいため、肌の内部にはまず入りません(ビタミンC講座 上級編①肌という壁の構造・②500ダルトンの法則をご参照ください)。APSの分子量は322.05で基準の500を下回るため肌の内部まで入りますが、弊社で使用しているヒアルロン酸ナトリウムの分子量は180万〜220万で、桁が大きく異なります。そのため、肌の表面に薄い膜が張ったような感触が残ります。この感触がお好みであれば10g、苦手であれば5gをお選びください。5gの一部だけを使うレシピを組むことも可能ですが、その場合、残った分は保存状態や期間が分からなくなるため、安全のため処分してください。
分子量の出典:ホルス社「ヒアルロン酸ナトリウム1%液(F)」技術情報
なお、この膜が張ったような感触は、乾燥した時に感じる「つっぱり感」に近いものです。つまり、ヒアルロン酸ナトリウムを配合しても、肌そのものがうるおうわけではありません。だからこそ、「注意点」でご案内している保湿剤の使用が欠かせなくなります。まずは一度お試しいただき、感触をご確認ください。
精製水
精製水は各自でご用意ください。ドラッグストアで購入できます。代表的な商品は「日本薬局方 精製水 500mL」で、店頭ではおおむね500円前後です。通販の方が安く購入できることも多く、セール時であれば1本100円程度で購入できることもあります(メーカーにこだわらなければ、500mLで300円前後の商品もあります)。
使用期限にはご注意ください。ただし、弊社がこれまで購入してきた中では、期限間近の商品が届いたことはありません。気になる場合は、ドラッグストアの店頭で期限を確認してから購入することをおすすめします。
コップ or ビーカー
清潔なコップであれば、コップでも化粧水を作ることができます。
弊社では100ml・200ml・500mlの3種類のビーカーを使用していますが、実際によく使うのは100mlで、200mlはたまに、500mlはほとんど使用していません。100mlビーカーは数百円で購入できますので、1つ持っておくと便利です。できあがった化粧水を容器に移す際も、コップよりビーカーの方が圧倒的に入れやすくなります。
スプーン or 撹拌機セット
1APSも2ヒアルロン酸水溶液も水に溶けやすいため、スプーンでかき混ぜるだけでも化粧水を作ることができます。ただし、均一に混ざりやすいという点では、撹拌機の方が明らかに優れています。
手作り化粧品を続けていくのであれば、撹拌機があった方が圧倒的に手軽です。「マグネチックスターラー」で検索すると、3,000円程度から購入できます。化粧品以外にも使える道具なので、1台あると便利です。弊社で使用しているものは1万数千円のタイプですが、価格差は主に、撹拌時に水温を上げられるかどうかの違いです。水温を上げる必要があるレシピはご紹介する予定がないため、安価な撹拌機で問題ありません。
撹拌機とあわせて必要になるのが「回転子」と呼ばれる磁石です。この磁石を回転させることで、ビーカー内の液体を撹拌する仕組みです。弊社では長さ3cmの回転子を使用していますが、100ml・200mlのビーカーであれば、これで十分に対応できます。
APSローションであれば、1000rpmくらいの回転速度で5分ほど撹拌すれば、均一に混ざります。
道具の洗い方はよくある質問をご覧ください。
化粧水容器(50ml用)
化粧水容器は、無印良品や100円ショップなどでも購入できますので、ご自身でご用意ください。ご希望の方には、弊社でも取り扱いがあります(容器はネコポスでお送りできないため、送料が割高になります)。
無印良品の店舗であれば、50ml用・100ml用ともにほぼ確実に購入できます。
容器のお手入れ方法(煮沸消毒不可・キャップの扱い等)はよくある質問をご覧ください。
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全製品共通の注意
- 弊社で扱う製品は、すべて化粧品原料および化粧品です。栄養補助食品ではありません。飲用しないでください。
- お子様の手の届かないところに保管してください。
- 妊娠中・授乳中の方、皮膚に疾患のある方は、ご使用前に医師にご相談ください。
- 弊社で扱う製品に、使用開始後に一時的に症状が悪化してから良くなる、といった「好転反応」が生じるものはありません。赤みが出た、湿疹が出た、ニキビが普段より増えた等、使用前にはなかった好ましくない症状が出た場合は、「好転反応だから」と我慢せず、ただちに使用を中止してください。
- 分包製品は、常温(ネコポス等)で発送します。お受け取り後は、すぐに化粧水を作らない場合でも、未開封のまま冷蔵庫で保存し、容器に記載の使用期限内にお使いください。冷蔵庫に入れるまでの間は、直射日光、高温、多湿を避けてください。
- 分包製品を開封したら、直ちに化粧水を作り、使い切ってください。全部使用しない場合は、品質を保証できないため、残りは処分してください。
- 粉末や液の色が、到着時や作成時より、はっきり濃い黄色や茶色に変わっているとき、異臭や濁りがあるときは、使用しないでください。ごくわずかな色の違いは、原料のロットや保存状態により生じることがあります。
- 作成した化粧水は、ご自身でお使いいただくためのものです。第三者への譲渡・販売はご遠慮ください。
- 配合量・濃度の調整は、お客様ご自身のご判断で行っていただくものです。
APSローション特有の注意点
- はじめてお使いになる際は、二の腕の内側等でパッチテストを行い、24時間程度、様子をみてください。
- 赤み・かゆみ・はれ・刺激等の異常があらわれた場合は、ただちに使用を中止してください。
- 症状が治まらない場合は、皮膚科専門医にご相談ください。
- APSは目に対する刺激は少ないとされていますが、原料は微細な粉末のため、計量・溶解の際に粉が舞うことがあります。吸い込んだり目に入ったりしないよう、ゆっくりと扱ってください。気になる方はマスクの着用をおすすめします。
- 万一、目に入った場合は、こすらずに、すぐに水で洗い流してください。
- 目に刺激を感じるようであれば、ただちに使用を中止してください。
- 症状が治まらない場合は、眼科専門医にご相談ください。
- 作成した化粧水は必ず冷蔵保存し、1か月を目安に使い切ってください。
- メーカー(レゾナック社)の製品カタログに記載の推奨濃度は1〜6%です。この範囲を超えて作成する場合は、ご自身の肌の状態を確認しながら、少しずつお試しください。
- 顔・体にご使用の場合、保湿剤の使用を必須とします。頭皮にご使用の場合は、保湿剤の代わりに、頭皮用のローションなどでうるおいを補ってください。
ご購入は、上記すべての注意点に同意いただいたものとみなします。
冷蔵保存と使用期限の定めは、分包後の容器での保存性を考慮した弊社の方針です。原料の取扱いの記載は、原料のSDSを参考にしています。
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